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GRAND SLUM 19(2003.12.7 豊洲文化センターにて)

2 誰も知らない営業の田中

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		「あれは何だ?」

		「目にも止まらぬ速さで駆けてゆく」

		「ひよこか?」

		「ハンガーか?」

		「ねえ見て!営業の田中よ」

		「あ、ホントだ…!!」

		「営業の田中ってえらい使えるみたいだぜ」

		「そっかぁ、使ってみたいなぁ…」

		「田中さんステキーー♥」

		「今度夕飯おごって!」




(うた)

	誰も知らない営業の田中		56億7千万枚の名刺
	その時、脳内に何が宿り		何が棲むのか
	
	彼は駆けていくぞ廊下		ナビは篠塚	「篠塚くん幸せそう」
	その時、彼は腹を減らし		何処でいちびる
	
	快挙と化した街の風			並ぶ者ない棒グラフ
	それともすべて塵と化し		ただ重いだけ相撲取り
	
	あー曲がって	こう曲がって	田中が世話焼く
	あーぶねードン アーマネーない 	騙されるもうない終バス





		朝も早くに、田中が出社する。
		
		同僚や上司が来ると、田中は入口で丁寧にあいさつしている。
		
		「おはようございます。僕、営業の田中です!!」


		「ああ、田中くん、おはよう」
		
		周りはすっかり慣れたように言う。


		「はじめまして。僕の席はどこですか?」


		「お前の席あっちな。
		 みんなの名前 席表に書いてあるから覚えろよ」


		「キミ、うちの社員だろ」

		毎日怒られてばかりいる。


		営業のくせに誰の顔も覚えられない。


		「親の顔がみたい」と本人は言っている。


		でも家に帰ると親がいて、
		
		「あ、こんにちは」とか言っている。


		「おはようございます。僕、営業の田中です!!」


		「あの礼儀正しい人だれ?」	
		
		
		「知らないの?営業の田中よ」



 
(うた)

	風邪もひかない営業の田中		56億7千万日の皆勤
	それなら会社に何を尽くし		何をもたらす
	
	枯木は花を咲かすだろうか		田中は来るだけ
	それでも周りはあたたかく		彼を導く
	
	オレオレオレだ金を貸せ		数百倍にして返す
	果てには何が待っている		神さえ住まぬ当たりクジ
	
	いいカモだいいかもね		すべての結末
	アホタレボンアホタレボン		裁かれる者ない世界





		机の上には	壺とか石とか絵とかが飾ってある。


		パソコンがやけに何台もある。おうちには羽毛ふとん。
		
		「金持ちじゃない営業の田中		56億7千万円の負債」


		なぜか勝手に籍が抜かれて、知らない人と結婚している。

		「カビも生えない営業の田中		56億7千万種類の防腐剤」
	

		道を歩くとみんなが知っている。もちろん都合のいい時だけ。

		「タダじゃすまない営業の田中	56億7千万発の地雷
		 その時、大地に何が宿り		誰が踏むのか」


		仕事を終えての食事が、田中にとっての最大の楽しみだった。


		だが飲食店に行くと、従業員の態度が変わった。




(うた)

	メシ屋と言えば営業の田中		56億7千万点のメニュー
	その時、店主は何を悟り		店員に説くのか

	食材全部片づけるか			ここにはあるだけ
	おかみは暖簾をしまうのだろう	客足も潰えて

	口笛だけが知っている		数百食はキープある
	彼には何が待っている		乾いたライスに赤い色

	あっためろ 	缶開けろ		バイトは清掃
	口開けろ	さあ食べろ		サバカレーだけの週末





		GRAND SLUM 19  誰も知らない営業の田中第1回、
		
		出演はしなやかしなちゃん・てんこ・ガーギー木村でした。
		

		本日はどうもありがとうございましたーーーー
		
		
		「TOKYO	WANGAN	〜〜」
	



	
	

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