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湾岸WIT第7号 2003/03/18 14 りんかい線の適正価格  昨年12月、りんかい線が大崎まで開通した。
 これで新木場−大崎が結ばれたわけだ。
 私は辰巳に住んでるとはいえ、りんかい線が通ったこ
とでメリットがある行き先へでかける機会はあまりない。
 渋谷という街が昔からキライだということもあって、
あっち方面に行くことはなかなかない。川崎横浜方面だ
ったら、有楽町経由で事足りる。新宿までなら、有楽町
線+市ヶ谷乗換新宿線の方が速くて安くて便利である。
まだこれが東雲駅寄りに住んでるか、東雲駅が便利な 場所にあれば、もう少し「乗ってみたいかな?」とも思
うのだろうが、私の家は辰巳駅から徒歩10分、東雲駅
からは……測る気も起こらない(隣町なのに!)。
 ついでに言うと、東雲の駅は街の中心部から全然外れ
た場所にあり、できた当時は「あんなところに税金使っ
て」とさんざん酷評されたものである。
 だがはじめに断っておくが、今回はそれらを責めよう
と言うのではない。
(大体私が乗るとしたら新木場から乗るだろうし) ここまで書いたことだけから言えば、私の生活にとっ てりんかい線はほとんど「どうでもいいもの」であり、
また、路線の目玉である臨海副都心・お台場といった地
域にも特に関心はない。というか、「そこにしかない関心
のあるもの」がない。新しい街はキライではないが、根
本的に好きくない街づくりな上にそれが必ずしも成功し
てないとくれば、地元でありながら足は遠のく。
 だが、しつこくも繰り返すが、私は臨海部の街づくり
に悪態をつき、ケチをつけるために今回この文章を書い
ているのではない。
めっそうもない!!地元なんだから。  私が言いたいのは、こんなに私にとって現在必要でな
く、また沿線にも魅力がないりんかい線でありながら、
それでも気になる、実はもっとちょくちょく乗ってみた
い、もったいないなと思っている、ということだ。
 不思議だ。どうしてそんな気持ちになるのだろう。実
に不思議だ。歌ではないが「なんでだろう」である。
路線図か、地図を持ってる人は開いてみるといい。 この路線は(横浜・川崎方面)−東京の南部−東部− (舞浜・千葉臨海部)をショートカットで結んでいる。    運行的には川越−さいたま−新宿から直通と新木場
止まりで、京葉線とも湘南新宿ラインとも乗り入れして
ない分もったいないのだが、位置的には東京を支える周
辺部「さかち」の交わる回廊、ということになる。
 その中心に「臨海副都心=新しい首都の中心部と目す
る地域」を置いてるわけだから、そういう意図はありあ
り、でもすべてが中途半端にずっこけちゃってるから、
ちゃんと機能してない・便利じゃない・使えない・観光
ぐらいでしか行く気が起きないだけなのだ(地元にとっ
ては働き口があるのはうれしいことだが)。
実にもったいない。企業中心の大型開発や石原都政に 賛成の立場であろうと逆であろうと、今の臨海部と他地
域とのアクセスのあり方について、そう思うところにお
いては大差ないのではないだろうか。
で、私は思うのだが、りんかい線、高い。ボりすぎ。
「いや、ボってないよ。こんなに高いのはね、」って
言いたいのはわかる。わかるけどわかりたくないね。  すげえ金継ぎ込んじゃってるんだろ!?借金でズブ
ズブなんだろ!?自業自得ってやつなんだよな。で、何
とか高い金取って借金返す目処立てたいのだろうけど、
それはやってるあんたたちがタコだからそうなっただけ。
乗る奴にとっては明らかに暴利だ。次に載せるけど、あ
れだけの運賃を取る付加価値も感じられない。
「観光地値段」とか言うなよな。通る根拠がない。
「観光用」にはゆりかもめがあり、それで事足りるか
らだ。たしかにゆりかもめは東京モノレール並みに高い。
だがそれらは半分「遊園地の乗り物・アトラクション」
の役割も果たしている。<だから急いでる場合にはあん
まり向かないのだが>キレイな景色をゆったり楽しめる
のなら、これくらい払っても、ということで許される。
地下の臨海線には決して真似できないことだ。
 ゆりかもめとりんかい線、両者ははっきり差別化して
こそ共存できるものだと思うのだが、前者に対して後者
が備えるべき条件とは一体なにか?
言うまでもない。 「速い・安い・すぐ乗れる」である。(次のページへ)