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7 おいおいおいおい、学校は選択させたんだろ? あくまで本人の選択だけど、遠くまで行けるよ うにしたんだろ? で、自転車は×かい? 中学生だぜ。小学生じゃないんだぜ。 まあ、瞬間はパッとそう思うよな。 ただその後だよな、自分で変わったと思ったのは。 少し前までの自分だったら、きっと確実に怒り 狂ってたでしょう。そう、実際に遠くまで通う中 学生の側の気持ちにすっかりなって。 少し前まで、と書いたけど、それは自分の中の 感覚で、実際には「ずーっと眠っていた(でも確 かにいた)少年〜若者立った頃の自分」ってこと なんだろう。そんな私に久しぶりに会えた、とい うか、少し違った位置から見ているもう一人の私 がいた、というか… で、もう一人の私がどう思ったかって? 以下少年とおじさん、 ふたりの会話みたくなるけど… 「ああ、いろいろ心配なんだね、きっと。 学校としても(つーか教育委員会としても)」 「じゃあ遠くの学校に通わせること自体は 大丈夫なのかよ? 「その辺は選んだ人の自己責任ってことな んだろうね」 「じゃあ何 通学する交通手段だって自 己責任でいーじゃん。違うか?」 「いや、そうは言っても許可するのならや っぱり責任は生ずるわけで、学校へ通うの自体は それでもまあ大丈夫だろうというのはあるけど (障害児は小学生でもバスでなかよし学級通って たりするしね)、自転車で通うとなると、やっぱり 事故やその他の危険は増すし、心配だから…」 「うん、そうだよねそうだよね。 事故起きるのも心配だし、何かあった時に、『なん で中学生フリーにさせとくんだ』って言われるの も心配だよね。ほら制服だしさ。いや、事故とか 何もなくても通学途中のあの店この店に、少なく ともバス通学よりは気軽に自由にどこへでも行け て、大手を振って闊歩して天下だよね。 うん、心配だよね。 制服の中学生がわがもの顔でうようよだよ。 心配だよね。脅威だよね。 「別に日頃からつき合いがあってそばで見て たら何のことはないかわいいガキンチョ達、でも そうじゃない他人にとってはそうは見えないんだ よね。ということでは?」 「ほら、結局生徒のことを心配するんじゃな くて、いろいろ言われたり責任かかってくるのが イヤなのと、あと抑えつけときたい、抑えつけと かないと何するかわかったもんじゃないと思って る、そういうことなんでしょ!?」 「まあまあそんなこと言うなよ。 『ごめん悪いけどそこまで責任持てないんだ。 街も学校も教育委員会も、そこまで対応できると こまでまだ来てないんだよ!』って言ってるんだ よこれは。怒ったってしょうがないさ。 そこまで到達してないんだから」 「結局そうやって大人の側につくのかい で、要はあきらめろってことか?」 「あきらめろってことじゃないさ。 ……一緒に考えてみようよ……(以下略)」 うむ、以下略だ。延々と続いてしまう。 次のページへ