【6p左】
【6p左】 この季節は、どうも苦手である。 前号でも書いたが、                    どうも私は感受性が強すぎるら
しい。草木や街の匂いが、空気の色が、どっと押し寄
せてきて、それだけで涙腺が刺激され、もうどうにも
たまらずブルーになる
(世の中ヤなことばっかりって のもあるんだけどさ そうなると日頃無理矢理にでも前向きに考えよう、 周りを元気にしようと振る舞う私でも、とても前向き
な気持ちになれなくなり、
                      「ああ、こんな季節、来な
ければいいのに」と思ってしまう。
  いやいや、それを言えば、最近どの季節が来るのも
何かつらいぞ、悲しいぞ。いっそ、季節なんかない世
界になってしまえ!1日も1週間も1年もなければ、
さぞかし心が落ち着くことだろう。
いかんいかん、イヤだぞそんなの。
だが感じてしまうものは否定できない。
だがだが度がすぎると困りものだ。
「いっそ快適で便利なものなどなければ」
「いっそ愛する者などいなければ」
「いっそ脳みそが腐ってしまえば」
「いっそこの世なんて」
・・・・・・ 非常に感じやすく、                    揺るぎやすい自分自身を抑える
ことに、思えば膨大なパワーを費やしてきたものだ。
瞬時に頭が回転し、涙が沸騰してしまう。で、それを
抑え込むから、人が泣いたり怒ったりするタイミング
では、もう終わってしまっている。それがイヤでもが
けば、もっと身動き取れなくなる。
そこで考え直す。 すべてにポジティヴである必要などない。 もちろんその逆も。選ばなくて正解のものだってある。
控えめが、いい線行ってるものだってある。