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【4p左】 の終わり、秋の訪れは早く、 それもあっという間だった。  ここ数年、特にそう思うのだが、これは私が年をとったか
らなのだろうか。まあ、それもあるだろう。
だが、それだけではあるまい。思い返すと、私が少年期か ら青年期にかけて、多くは「厳しい残暑」のある夏だった
ように感じられる。たまたまそういう巡り合わせだったの
かもしれない。が、
                  「そういうものだ」と強く焼きついてし
まった身にとっては、あっさり身を引いてしまう夏に、
                                              「こ
んなんじゃないだろ?え?違うだろ!?」と、激しく物足
りなさを感じさせるものがあるのだ。
「いや、          夏の終わりから秋の始めにかけての気温自体は下
がってませんぜ、旦那」・・・もしかしたら、調べればそうい
う事実が出てくるかもしれない。というか、実はそんなよ
うな気もする。
「夏の前半が暑くなりすぎて、相対的に残暑を感じず、秋 が早く感じる」 のかもしれない。                             猛暑のピークは早まった。
一番暑い時期が、7月後半から7月前半に移った、そうい
う感じがする。
それと暑さの中身。人工的な「体に悪い暑さ」が上乗せ されて、毎年ベースアップしてる。外出を避けよう、健康
のために外での運動、外遊びは避けよう、というほどの気
候の存在が、いつの間にか当たり前になっていて、それが
1ヶ月ぐらい居座るようになっている。   四季の味わいを楽しめる時期は縮小され、人間は基本的
に室内で過ごすもの、そういう子どもの頃「そんな時代に
なっちゃうんじゃないか」と感じた危惧・恐怖(=それは
「未来都市の快適な生活への憧れ」というのと裏表にあっ
たのだが・・・)が、既に片足とちょっとぐらい現実となって
いる。何だかんだいいながら、エアコンのスイッチを入れ
て、自らそう仕向けているのだから。