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●夢幻モードのままで●


夢をみていたり、地図をみていたり、チャリでさまよっていたりす
ると、いろんな地名や風景に出遭う。・・・と3つ並べたが、この場
合私にとって、3つとも大差がない。どのケースでも気持ち的には
他の2つもやっちゃってるんで・・・
機会にはあまり恵まれてるわけではない。特にチャリで知らない街
をさまよえるチャンスなんて、最近は年に1〜2度あるかないか。
それだけに(最も活動的であった)20歳前後の記憶の厚い層に影
響されているところは大きい、と思う。

起点と終点は、主に活動している場所や本拠地であることが多い。
それがいろんな街だったりする。今まで住んだところ、少年時代を
過ごした狛江に始まって、三鷹市中原、江戸川区本一色・新堀、そ
して今いる江東区辰巳、それらの近辺の風景や地名・空気が絡んで
くるのが大半である。
思いもかけないところから、知ってる地名・知ってる路地に出たり
して、感動したことある人もいるだろう。知ってる人は知ってる。
で、それが自分ちの裏手とか、気に入った場所のピンそばにつけた
時などは結構ラッキー、宝物をゲットした気になる。
今住んでいる辰巳は海のそばの埋め立て地で、他の島との行き来に
は何本かある橋のうちの1本を選択するしかない。だから、実生活
でそういう面白さを味わえるチャンスはあまりない。地図の上か、
地図でみるような遠くの街を走れるような機会に限られてくる。一
人暮らしの頃や、知らない街に引っ越してしばらくの間は、そうい
う楽しみには不自由しなかったが。

たまったもの(=これまでの記憶+欲求が満たされない分?)は、
どっと夢に出てくる。いきおい夢の中ではいろんな街と地名と住み
処が混じってきて、複雑・厄介・不思議な味わいだ。
自分の知らない間に、もう一つの自分の住む街が、地理関係も含め
てできている。単に路地や地名だけでなく、大きい道路や電車の路
線、大まかな街のつくりなどまで、できちゃってる。常にでき続け
ている。放っといても進む、何かのゲームのようでもあり、魔法を
かけられた舌の話のようだったりもする。
何しろ新木場の隣の駅が平気で西国立だったりする。起きてしまっ
てからだと、どうにも説明がつかない。大体西国立なんて近くに住
んだこともないぞ。
しかし夢をみている状態を支持すれば、とてもわかる。説明はでき
ないが、理にはかなっている。

で、そうやってできてる街の位置関係の中で(これも一通りとは限
らないのだが)、今住んでる部屋も昔住んでた部屋も両方あって、
昔の家が荷物はどいた後だけど別宅=アジトみたいになってる(←
これは願望として起きていてもとても理解できる)。
*断っておくが、別段その家々に違う女がいるわけではない
(さすがにそこまでは、夢の中でも願望を超えないようだ)*

夢をみながらでもはっきりわかるのは、ホームタウンの領域という
のが確かにあって、見えるのだ。これって団地育ちだったせいもあ
るのかな。
で、意外な道から、その領域の一端に達して、改めて感動したり。
昔の住み処なんかは(アパートだったりするよね)その一角で衛星
みたいに1ブロックあるって感じ。

今までみた夢で途方もなかったのは、例えば中央高速をチャリで
延々走らなければならなかったこと(ぜったい架空!途中までしか
行ったことないのをいいことに。白くもやがかかっていて、周りの
風景はゴルフ場ぐらい凸凹で何もなかった)。
で、今朝みたのは、途中多摩川を(細くて浅いとこだったけど)石
伝いに(というか、橋の跡みたいだった。少しずつ水を被ってる状
態。流れはほとんどなく、危険という感じではなかった)渡ること
になって(さすがにチャリではない。夢の中だと都合よく乗ったり
降りたりできていい)、後ろからてんちゃんがブツブツ言いそうな
のを何とかごまかしつつ、渡っていたなぁ。
(そういえば「二人で」ってはっきりわかるのは、たまにしかない)

かように、美女でも財宝でも名声でもないものに、枕の上で幻惑さ
れてしまいがちな私ですが、ひとりではもったいないので、おいお
い貴方も惑わしてあげたいと思うところです。自身があやしい地図
になるというのは、快感なようでいて、身も心も消耗するものです
(アルコール漬けになるようなもんですからね)。

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