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8月の半ばではあるが、今年も広島カープのチーム成績・今期優勝
への展望について語るのはもうよそう。90年代後半からずっとこ
うなのはさびしいかぎりだが、すっかり慣れてしまった感がある。
ファンもそうだが、チーム・選手も負けぐせがついてしまったよう
で非常によくない。簡単に8連敗するし、そのあと4連勝して今日
勝てば地元でヤクルト3タテ、地獄の底からゾンビのごとく這い上
がり、
「ツバメよ待っとけ!9月には追いつくけんのう」と吠えることく
らいはできただろうに、河内が覇気のないピッチングで5点取られ
てあっさり負けてしまった。その後の横浜戦の10−2からの大逆
転負けなど、今までこっちがやってたようなゲームをやられちまっ
て(最近この言葉を何十遍使ったことか!)、すっかり引き立て役
になってしまった。ペナントレースはヤクルト独走の感が強いが、
横浜はこれからかなりいけると見た。カープ?今年はせいぜい読売
を倒して、最下位を免れてくれれば・・・

ほんに、情けないよのぉ・・・・

(昔を知らない人へ。ほんの10年ほど前まで、カープは毎年優勝
争いに絡むような強いチームだったのです。ホントです!!)


これ以上愚痴ると紙面が全部埋まってしまう。
とても魅力的な選手は揃ってると思う。みんながみんな、全盛時の
力だったら、金満巨人をしのぐ戦力だとは思う。しかーし、
現実には3番・センターを守っているのは緒方によく似た緒方人形
であり、代打で出てきて名前だけで四球をもぎ取る前田人形という
のもいる。スタメンを組むと、代打の切り札ばかり4人も余る。こ
れが同点で8回を迎えるようなゲームメークができるチームなら面
白いのだが、投手陣にもすっかり負けぐせがついてしまっている。
建、黒田、横山、幹英・・・・いい球を放れるピッチャーがいいピッ
チャーになれず、伸び悩み、くすぶり、潰れたり、這い上がれな
かったり。
いかんいかん、また愚痴ってしまった。
これからのことだ。若手にもいい選手はいるけど、有名じゃない
から、カープファンしかわからないよな。プロ野球ファンに共通し
てわかる範囲だと、東出と新井ぐらいだろうな。
カープファンにとっては、一番文句のはけ口にもなるこの二人。
ただ、他チームからは実力(?)以上にマークされ、警戒されてい
るようにも見える。
東出は、野村や高橋慶彦と比較され、後継と見られることが多
い。勿論今の実力で言えば、まだまだ二人の先輩には及ばず、比較
しようにもレベルが1ランク違うという感じもする(表面に出る数
字ということでなく)。また、東出は野村でも慶彦でもなく、まし
て正田などとは全く違う、彼のスタイルを持っている。
しかしファンとしては野村・慶彦レベルを要求したいので(たとえ
今は無理とわかってても)、ついつい苦言も多くなる。守備で言え
ば、好プレーにしろエラーにしろ、ムードを一変するようなプレー
が多く、また、そういう打球が飛んでくる。

<写真=懸命なプレーを見せる 2東出(但しセーフ。しかも去年)

野村と一緒にスタメンというのは、もう何年もないだろうが、ど
うなのだろうか。善し悪し共にあるだろう。特に仲が悪いとか折り
合いが悪いとかはきかない。ただどうも見ていて(ファンの欲目だ
ろうか)、野村が出てると東出はあんまり目立たないなって。内野
を一手に背負わなくていいっていうか、野村がいるとそういう華が
東出になくなっちゃってるような感じがする。安心しちゃってるん
じゃないかって。去年野村が故障でいなかった頃見た時は、もっと
大きく見えたというか、弱いチームの下手な内野だけど俺が何とか
踏ん張るみたいな。逆に気負いもあったのかもしれないけど。
実際球場で見たのは数回だけだし、もっと見てる人から「考えすぎ
だよ」と言われればそれまでだけど、そういう穿った見方もしたく
なるような、難しい世代交代の時期なのだろう。ファンとしては両
方いる間に優勝が見たいけど、両方いる間はチームとしても引き継
ぎ・育成期間と見た方が冷静な見方なのかもしれない。
新井。カープファンサイドで見れば、かわいさ余っても含めて「ス
タメンレギュラー?まだまだ甘いゼ」といったとこだと思うが、他
球団にはあの飛距離はやはり脅威なのだろう。実力以上に警戒され
てるような気もする。去年・今年と球場で見たが、「粗いと言われ
る割には、よくボールを見てるよな」と感心した。でもそれって逆
に相手ピッチャーも警戒して素直にストライクはなかなか放ってこ
ないってことなのだろう。ヤクルトバッテリーの攻めを見ていてそ
う思った。ちょっと古いけど、ブンブン丸とかオバQとか、それぐ
らいには恐れられてるのかな?(将来的にはそんなもんじゃないと
思うけど)
とすれば「見せる」部分も含めて、「思いっきり振る」というのを
もっと相手チームに焼きつけた方がいいだろう。真面目で意外に繊
細で迷いやすい性格なのかもしれないが、次代の主砲となるだけの
ものを持っている。←と言われてそれっきりだった選手も、世の中
にはいっぱいいるけど。
ファンとしては江藤の後釜なんて、そんな小さいことは思ってな
い。浩二のレベルを目指してほしい。そりゃあタイプは違うとは思
うけど、それくらいのスケールの大きさは感じさせるものがある。
前田も緒方も江藤も、浩二には届かなかった。金本は・・・・精一杯頑
張ってると思う。その金本がとても可愛がってる新井は、みんなの
弟のようで、とても楽しみな存在だ。・・・壊れるな。壊すな。
今レギュラー張ってる人たちも、大好きだし、よくやってると思
う。ただどうしても比較の対象が強い頃になってしまって、その辺
が苦しいところと言えよう。
「足の速さは誰にも負けない」木村拓也。ポカも多いけど、実力は
出しきってると思う。しかし、彼に山崎隆造を求めるのはちょっと
苦しい。技術以上のものが優勝争いの中で育つっていう、逆もあり
得ないとは言えないけど。今年突然打つようになったエディ・ディ
アス。その当たり、プレーを見ていると、鉄人衣笠を求めたくなっ
てくるが、それは無理と言うもの。佐々岡・建・黒田<北別府・大
野・川口。一目瞭然である。それでも比較できるだけいい。
比較の対象もないのが、江夏−小林誠二−津田−大野に続く優勝を
もたらすストッパー。でもそれを育てるにも、育てる環境ってある
と思う。ここまで雑な野球になってると、育つものも育つ前に潰れ
る!

そういった意味で、それでも戦いながら、勝ちながら覚え、力をつ
け、強くなってく、復帰した山本浩二監督にはそれを期待し、7月
頭まではどっしり構えて順調だったのだが、シュールストロムの離
脱で「オールスターまで総力戦だ」とジタバタしだしてからはボロ
ボロである。達川ならそれもありと思うが、浩二はジタバタすべき
ではない、と思う。過ぎてしまえばすべてたられば結果論だが、あ
そこで動じずに、ローテーションも崩さずに、毅然とした姿勢で臨
んでいたら、今の横浜と逆の位置にいたんじゃないかって。緒方人
形・前田人形にも、味方が騙されて気が緩んでちゃダメだったの
だ。敵を欺き、脅威となるべきものを。

写真=「兄キと弟」10金本と25新井(こっちも去年)

結局やはり文句をたれてしまった。それでも昔と比べて、現状合
わせでだいぶ見る目が甘くなったような気もする。
まあ、いろいろな足りない点・反省点は、きっと来年に活かしてく
れるだろう。しかし、みんな残ってくれるだろうか?
しなやかしなちゃん(次回は未定。シーズンオフか?)


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